富山ふるさと省エネ協会

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省エネコンサル

【富山環境整備様】富山市「脱炭素化に向けた計画策定支援事業」

この度、脱炭素化に向けた計画策定支援の一環として、廃棄物業界の脱炭素化の推進と人事交流を目的に、“3社合同カードゲーム「2050カーボンニュートラル」研修セミナー”を開催しました。

株式会社富山環境整備について

株式会社富山環境整備は、廃棄物の収集・運搬・中間処理・最終処分・測定・分析などを行う環境事業者です。廃棄物処理、リサイクルプロダクト、アグリプロダクト、研究開発等を行っています。

富山環境整備では、「廃棄物は資源」であると捉え、以下のような環境分野への取組みを行っていま す。
 ーリサイクルプロダクト
 廃棄されたプラスチック製容器包装材のリサイクル原材料化から、それを使用したリサイクル製品づくりまで行っています。
 ーアグリプロダクト
 廃棄物処理施設から生まれるエネルギーやICTを活用した、これまでにない次世代型施設園芸に取り組んでおり、フルーツトマトや花卉などの生産・加工・販売等を行っています。

富山環境整備のHPはこちらから

脱炭素化に向けた計画策定支援事業について                   

本事業は、富山市内の中小企業の脱炭素化を推進するため、カードゲームを活用した社内研修や、省エネルギー診断等を実施し、脱炭素化に向けた計画の策定を支援するものです。

対象2024年7月30日・31日開催の「中小企業向けカードゲーム「2050カーボンニュートラル」体験型セミナー」(富山市主催)を受講し、チームとやましに参加している市内の中小企業
実施期間2024年9月~2025年3月
支援内容社内カードゲーム体験会、社内省エネセミナー、省エネルギー診断、脱炭素経営計画の策定 等
事業主体富山市環境政策課
委託一般社団法人富山ふるさと省エネ協会

こんな企業が参加しています
☑サプライチェーンを通して、脱炭素化に向けた取組みの必要性を感じている企業等
☑脱炭素経営に興味があり、そのための目標や計画作りを行いたい企業等
☑脱炭素化に対する社員の意識を高めていきたい企業等

「中小企業向けカードゲーム「2050カーボンニュートラル」体験型セミナー」(富山市主催の記事はこちら

チームとやましについてはこちら

株式会社富山環境整備の取組み事例

【課題(本事業に申し込んだ理由)】
・サプライチェーンを通して脱炭素化が求められており、取引先から選ばれる企業であり続けるために、社員の意識向上が必要だと感じた
・脱炭素を起点とした営業ができるようになることで、新たなビジネスチャンスを創出したい
・親しみやすいカードゲームをきっかけに、社員が脱炭素について考える機会を持ちたい
・業界全体での脱炭素化に対する意識を高め、互いに協力し、課題を解決していけるような関係づくり・交流の機会を増やしたい
【目標】
・3社合同でカードゲーム「2050カーボンニュートラル」を実施し、交流しながら互いに学び合う
・カードゲームを通して、業界全体で共通して向き合うべき”カーボンニュートラル”について理解を深める
【取組み内容】
・カードゲーム「2050カーボンニュートラル」の体験(2日間に渡り、メンバーを変えて計4回の実施)
【結果】
・参加者の脱炭素化に対する取り組みの関心度で高い評価(とても高まった:60%、高まった:40%)が得られた
・3社合同で実施することで、交流の機会が生まれ、今後の関係づくりのきっかけとなった
・脱炭素化のためには、個々の組織の枠をこえて協同して取組むことの大切さを体感する機会となった
・ワークを通して、自社内で自身が取り組めそうなことについて考え、行動に繋げるきっかけとなった
【今後の展望】
・脱炭素経営計画を策定し、社内の脱炭素化を進める
・脱炭素を起点とした営業ができるような社員教育を行う
・自社内の省エネ診断を実施し、経費を削減する
・カーボンニュートラルの取組みを地域にも広げていく

3社合同研修セミナーの様子                                                      

【対象・研修場所】
受講者:(株)富山環境整備(30名)、クリーン産業(株)(17名)、(株)高岡市衛生公社(20名)計67名
実施日:2024年11月12日、11月13日(2日間に渡り、計4回の実施)
会場:富山環境整備アグリ事務所


〈ゲーム体験〉
カードゲーム「2050カーボンニュートラル」では、温室効果ガスの排出量が12という設定でスタートします。ここから4ターン(ゲームでは20年)でカーボンニュートラル(排出量=吸収量)の状態になることを目指します。

ゲーム中の様子
お金の交渉をする場面も
自分たちの行動によって、世の中が変化していきます(newsを読み上げる様子)

今回の3社合同カードゲーム研修セミナーでは、同じ内容のカードゲームを、2日に渡り4回に分けて行いましたが、実施した4回全てでその結果が異なりました。排出量の大きな変動がなく温室効果ガスが増え続けていった回、GDPをスタート時より伸ばしたものの、カーボンニュートラルの達成は叶わなかった回、最終的にカーボンニュートラルを達成した回と様々でした。
ゲーム終了後の振り返りでは、「ゲーム中に意識したこと」「次やるとしたらどんな行動を取るか」について対話を通して言語化しました。意識が行動を生み、行動が結果を生んでいることについて気づきを得て、カーボンニュートラル実現の難しさやその必要性について理解を深める時間となりました。

【研修セミナー受講者の声】
”自分たちのゴールを意識するか、カーボンマップを意識するかで行動が変わった。もっと周りへの働きかけができたらよかった”
”周りとのタイアップの必要性を感じた。ゴールを達成するために1企業だけで頑張るには限界があると感じた”
”カーボンニュートラルの達成とGDPの両立のためにはひとりひとりの意識がとても重要だと感じました”
”廃棄物を扱う企業として、焼却や埋め立て物を減らすよう努力したい。お客様への提案や社内での分別を意識していきたい”
”部署内で脱炭素化に関する行動目標を設定したい”
”トラックを使用することが多いので、排気を抑えるための効率の良いルートを話し合ったり、電気自動車を増やしていくことが必要だと感じました”
”収集先に対しても脱炭素化に対する意識を向上させるような営業活動に取り組んでいきたい”
”3社合同でのセミナーによって、名前は存じているけれど顔を合わせることがなかった方と交流ができてよい機会となりました”
”3社で協力して社会に影響力を与えられるよう行動していきたいです”

クリーン産業株式会社 森様

【参加者へのインタビュー】

7月に富山市主催で開催されたカードゲームにも参加しましたが、自分の学びを会社に持ち帰り、他の社員に広げていくことにハードルの高さを感じていました。今回、他の社員とも一緒に参加できたことで、脱炭素化・カーボンニュートラルについて考える仲間が増え嬉しく思っています。今夏、自分自身が熱中症で救急搬送されるという経験をし、身をもって夏の暑さの危険と温暖化による影響を感じました。自社においては、廃棄物をリサイクルするという好循環をさらに促すことで、会社全体の環境意識を高めていきたいです。

株式会社富山環境整備 松浦常務

【常務取締役:松浦志帆子さんの想い】

3社合同の研修セミナーが終わり、社員から「他社の方々と交流ができて大変よかった」との感想を聞き、嬉しく思っています。普段は競合関係といえるかもしれませんが、コロナ渦や能登半島地震の際に会社の垣根を超えて互いに協力していくことの大切さを感じ、脱炭素化においても業界全体で協力していくことが大切だと考えています。
弊社の社員に対しては、リサイクルプロダクトやアグリプロダクトといった環境に対する取組みの魅力を取引先や地域の方々に発信し、業務における強みにしてもらいたいです。また、カーボンニュートラルの実現に向けて「もっとこうしたらいいんじゃないか」といった議論が飛び交う会社になると嬉しいです。弊社は地域に根差した事業をしているので、自分たちが率先して脱炭素化の取組みを進め、地域全体にも還元できるよう取り組んでいきたいです。

【まとめ】
今回の支援事業では、脱炭素経営計画を策定していくにあたって、「まずはじめに社員の意識を向上させたい」という方針のもと、カードゲームの実施に至りました。
普段は「競合関係」といえるかもしれない3社ですが、”カーボンニュートラル実現のためには、ライバル社という垣根を超えて協力し合いながら進めていくことが大事である”ということをカードゲーム体験での交流を通して学び合う機会になったのではないでしょうか。
富山環境整備では、脱炭素化に向けた動きを加速させ、持続可能な社会の構築に貢献できる企業を目指されています。来年度以降、脱炭素経営計画の策定や省エネ診断を実施することで、取引先からも地域からも選ばれ続ける企業であるための取組みを進めていきます。