富山ふるさと省エネ協会

実績紹介

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セミナー・カードゲーム

【富山市主催】「中小企業向けカードゲーム「2050カーボンニュートラル」体験型セミナー」

本事業について

・富山市はこれまで「環境モデル都市(2008)」、「環境未来都市(2011)」、「SDGs未来都市(2018)」の選定を受けており、2021年3月には「ゼロカーボンシティ宣言」を表明し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
富山市環境政策課では、市民や企業が自主的にチームを結成し、温室効果ガスの削減に取り組む「チームとやまし」というプロジェクトを進めており、その一環として昨年度から市内の中小企業などを対象にした『カードゲーム「2050カーボンニュートラル」体験型セミナー』を実施しています。

今年度は、市内企業の「脱炭素化」をさらに推進していきたいという想いがあり、そのためには企業と脱炭素化に関わる課題を共有し、解決のための具体的な支援を行う必要があると考えていました。

そのような中で、「省エネルギー診断」をはじめとした、省エネコンサルティングを行っている当社団に相談をいただきました。

・富山市との協議を経て、今年度は、カードゲームを足掛かりとし、参加企業の脱炭素化を伴走支援する「カードゲーム×脱炭素化伴走支援」事業を年間を通じて行うはこびとなりました。

・今回のセミナーの開催においては、当社団が富山市から委託を受け、カードゲームの創始会社である株式会社プロジェクトデザイン様のご協力のもと、実施しました。

本セミナーの狙い

  • 脱炭素化の必要性をゲーム体験を通して実感してもらう
  • 参加者同士の学び合いから組織の将来ビジョンについて考える
  • 脱炭素化に向けた具体的なアクションへと繋げる

効果

  • 参加者の脱炭素化に対する取り組みの関心度で高い評価(とても高まった:60%、高まった:40%)が得られた。
  • 異なる組織間での横のつながりが生まれ、考えのブラッシュアップや、共創のアイディアが生まれた。
  • ワークを通して、自組織内で自身が出来ることを発見し、行動を起こすきっかけとなった。
  • セミナー後の脱炭素化に向けた伴走支援に繋がった。
  • 富山市が行う来年度以降の支援策等の事業構想に繋がった。

プログラム

【1日目】
・カードゲーム「2050カーボンニュートラル」の体験
・対談型による県内企業の省エネ事例紹介
【2日目】
・グループワーク(自社の実現したい未来像)
・企業間の意見交換

対象・開催場所

【セミナー受講者】
 富山市内の中小企業や個人事業主、財団法人など17社(合計23名)の経営者やエネルギー管理員、
 社員の方々
【研修実施日】
 2024年7月30日(1日目)、7月31日(2日目)
【会場場所】
 1日目:富山市役所(8階802号室)
 2日目:Toyama Sakuraビル(5階中会議室)

 チラシはこちらから

研修の様子

【1日目:カードゲーム体験会】

メインファシリテーターは、当社団の九里桜子が行いました。

ゲーム運営の様子

ゲームが進むにつれて、他チームとの交流も活発になっていました!

・市民カードの★の意味ってなんだろう?
・次のターンで返すので、お金を貸してくれませんか!
・私たちのリザルトカードにこんなことが書かれてあったので、このカードをやったらいいことがあるかもしれませんよ!

等々、様々な交流が会場に飛び交っていました。

カードゲーム中の様子

温室効果ガスの蓄積によって、多くのチームが気候変動の被害にあった前半。

後半は、自分たちの目標達成を意識するチームもいれば、排出量を減らすことに注力するチームもいました。

結果は、4ターン目で排出量減・吸収量増に!

【ゲームを終えて~参加者の声~】

  • 組織のカードや市民のカードをどんな順番で実行するかに悩んだ。
  • 温室効果ガスの蓄積が増えると気候変動の被害によってお金が減ってしまった。
  • 目標を達成したチームがどんなアクションをしていたのか気になる。
  • カーボンマップを裏返してゲームをやっていたらどうなっていただろう?

ゲームの最後に、プロジェクトデザインの竹田さんからこんな問いがありました。

ー「みなさん、もう一度このゲームを体験できるとしたら、次はどんな風に動きますか?」
ー「最初から他のチームに働きかけて、情報を共有する」
そう答えた方にうんうんと共感する皆さん。
ー「カードゲーム体験を終えて、ここにいる皆さんのカーボンニュートラルに対する熱量は上がったと思います。しかし、今の熱量で社内の方々に話しても、気持ちに差がありうまく伝わらないかもしれません。じゃあどうやってうまく伝えるか?と考えた時に、きっと同じように、まず最初に”伝え合いや意識の共有”をするのではないでしょうか?」(竹田さん)
竹田さんの話に参加者のみなさんが強くうなづいた問いでした。

【1日目:対談型による県内の省エネ事例紹介】

左から、プロジェクトデザインの南原様、竹田様、柿原様。富山ふるさと省エネ協会の九里桜子、代表理事九里

午後からは、対談形式にて、富山ふるさと省エネ協会とプロジェクトデザインのファシリテーター4人が、自組織でカーボンニュートラルを進めていくうえでの「壁」や「県内の省エネ事例」、「カーボンニュートラルを進める楽しさ」について、参加者の皆さんと交流をおこないました。

省エネ事例紹介の様子

その後、プロジェクトデザインの柿原さん指導のもと、「私が心から実現したいと思うこと」について、考える時間となりました。ペアになり、ワークシートを用いながら自分の書いたことを共有します。最後に明日までの宿題をお伝えし、1日目は終了です。

ペアになってワークに取り組む様子

【2日目:グループワーク(自社の実現したい未来像)】

2日目は、1日目のワークをもとに、「組織の1人して、あなたは何に取り組みたいですか?」というお題について、ワールドカフェ形式にて様々な業種の方と意見交流を行いました。その後も、

  • カーボンニュートラルに関わる個人・会社員として、どんな状況・社会を実現したいですか?
  • 組織の一員として、あなたは何に取り組みますか?
  • その取り組みのためには、誰の、どんなサポートが必要でしょうか。

といった問いに対し、自社での取り組みの共有をおこなったり、各々の抱えている悩みに共感し合ったり等、考えをブラッシュアップする時間となりました。

ワールドカフェで模造紙を用いながら交流する様子

ワークの最後には、「私は自社でこれがしたい!」という決意表明を各々付箋に書き出していただき、皆さんで共有し合う時間となりました。

付箋に書いたことを共有する時間の様子

【2日間のセミナーを終えて(~参加者の声~)】

  • カードゲームは取り組みやすくて、啓発活動には良いツールだと思った。異業種交流はカーボンニュートラルを社会全体で目指す上で必要。
  • 私自身が帰社して全社に共有することこそが、カーボンニュートラルのスタンダード化への第一歩。ただそこにはハードルがあり、社会の仕組みづくりが急務と感じた。
  • 自社でのカーボンニュートラルの取組みの低さを感じた。顧客の省エネ化をサポートできるスキームを作りたいと思った。
  • 脱炭素は手段であり、目的は?という話題になり、会社でも脱炭素に取り組むことが目的になってしまっていると感じた。目的を理解して、全社員で対話をし、取組内容や目標を決めていきたい。
全体写真

【その後・これからのこと】

本セミナーは、1日目のカードゲーム体験を皮切りに、自組織のカーボンニュートラルへの取り組みを再度俯瞰し、ご自身のカーボンニュートラルに対する考え方を深める1つのきっかけになったのではないでしょうか。また、異業種交流により、ご自身の考え方がブラッシュアップされたり、共創のアイディアが生まれたりした場面も多かったのではないかと感じています。

今回の事業は、この2日間での学びを受け、参加企業の脱炭素化を進めていく伴走支援へと繋がっていきます(伴走支援希望企業に限る)。
伴走支援での取り組みについても、引き続き発信をしていく予定です。
伴走支援では、「省エネルギー診断」を柱とし、「脱炭素経営計画の策定」や「社内省エネセミナー」、「社内カードゲーム体験会」等を実施する予定です。
改めまして、2日間参加していただいた皆様、誠にありがとうございました。